日本百名山 山名の由来
No. | 山 名 | 標 高 | 山頂所在地 | 山名由来 | Google Maps |
1 | 利尻岳 (りしりだけ) |
1721m | 北海道 | アイヌ語でリイ・シリ=高い島、山の意味。 | MAP |
2 | 羅臼岳 (らうすだけ) |
1661m | 北海道 | アイヌ語でチャチャ・ヌプリ=親父・山の意味。羅臼川源流にある山の意が和人式らしい。 古くは「良牛岳」と称されていたこともある。 |
MAP |
3 | 斜里岳 (しゃりだけ) |
1547m | 北海道 | 斜里はアイヌ語でサル=葦の生えた湿原の意味。斜里川の源流にある。 | MAP |
4 | 阿寒岳 (あかんだけ) |
1499m | 北海道 | 阿寒川の上流であることからであろう。ちなみに雌阿寒はアイヌ語でマチ・ネシリ=女山、雄阿寒はピン・ネシリ=男山、の夫婦山。 | MAP |
5 | 大雪山 (たいせつざん) |
2290m | 北海道 | 旭岳はヌタクカムウシュペ、石狩岳、東オプタテシケなどの名で呼ばれたが、明治43年に文部省からの働きかけにより、旭川の東に位置し陽の昇る方向にある山として現在の名を得た。大雪山の名は明治32年松原岩五郎の『日本名称地誌』が初出で、小泉秀雄が大雪山は中央高地の総称と発表し今日に至る。 | MAP |
6 | トムラウシ (とむらうし) |
2141m | 北海道 | アイヌ語でトンラ・ウシとはミズゴケのある川、水草が生えている川など諸説ある。 山名自体はトムラウシ川の上流にあるという意味。 |
MAP |
7 | 十勝岳 (とかちだけ) |
2077m | 北海道 | 十勝はトカプチ=女の乳房、トガプチ=沼の枯れる所などの語義は諸説あるが、十勝地域の最高峰としてその名を与えられた山名であろう。 | MAP |
8 | 幌尻岳 (ぽろしりだけ) |
2052m | 北海道 | アイヌ語でポロ・シリ=大きい・山の意味。 | MAP |
9 | 後方羊蹄山 (しりべしやま) |
1721m | 北海道 | アイヌ語ではマッカリ・ヌプリ=川(真狩川)の上ノ山の山名。 和名の正式名称は「後方羊蹄山(りしべしやま)」であったが、現在では「羊蹄山(ようていざん)」と略称で呼ばれている。 |
MAP |
10 | 岩木山 (いわきさん) |
1625m | 青森県 | 巌鬼(がんき)山、赤倉山の別名や津軽富士の愛称もある。古くから「お山」と呼ばれて信仰の対象になった。 山頂に岩木山神社奥宮が祭られている。 |
MAP |
11 | 八甲田山 (はっこうださん) |
1584m | 青森県 | 八甲田は南北八甲田の総称。八耕田山、萢(やち)耕田山などの別名がある。 北八甲田8峰の各所に「神の田」という湿地があり、「八神田」から八甲田を当てたとする説、萢(湿地)高田山から転じた説がある。 |
MAP |
12 | 八幡平 (はちまんたい) |
1613m | 岩手県 | 「八幡」は武神の八幡信仰に関係する名。坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際に武運を祈願するために八幡を奉じた伝説、八幡太郎義家がこの山に登った伝説などがある。八幡平の平を「たい」と読ませるのは、東北地方に多い山上の湿地を意味する「岱」によるのだろうか。 | MAP |
13 | 岩手山 (いわてさん) |
2038m | 岩手県 | 別名や愛称に巌手山・巌鷲山・南部富士・南部片富士・岩手富士がある。 本来「いわわしやま」と呼ばれていたものが「岩手」の音読み「がんしゅ」と似ていることから、転訛したものだとも言われる。 |
MAP |
14 | 早池峰 (はやちね) |
1917m | 岩手県 | 山頂に開慶水という霊池があり、お経を上げて祈願すると、たちまち水が沸くので「早池の泉」と呼ばれたという伝説に由来する説がある。深田久弥は、「山」は「峰」と同意で余計だとして、日本百名山では「早池峰」と表記した。 | MAP |
15 | 鳥海山 (ちょうかいさん) |
2236m | 山形県 | 山の山稜が左右に広がる様が鳥の羽に見えたためという説がある。 「とりのうみやま」とも読む。出羽富士・鳥海富士・秋田富士などの別名もある。 |
MAP |
16 | 月山 (がっさん) |
1984m | 山形県 | 農業の神「月読尊」を祭ったことに由来する。別称が犂牛(くろうし)山で遠くから見ると牛が寝ているような山容による。 羽黒山・湯殿山と共に出羽三山と呼ばれる。 |
MAP |
17 | 朝日岳 (あさひだけ) |
1870m | 山形県 | 朝日岳や旭岳は、麓から見て最初に陽光を受ける山に対して名付けられる山で、全国に見られる。ここ朝日岳も同じであろう。 | MAP |
18 | 蔵王山 (ざおうさん) |
1841m | 山形県 | 天武9年(680)に僧行願が吉野の金峰山から蔵王権現を不忘山に祭ったことに由来するという。 一般に蔵王といえば熊野岳を中心とした北蔵王を指し、南側の屏風岳や不忘山は南蔵王と呼ばれる。 |
MAP |
19 | 飯豊山 (いいでさん) |
2105m | 福島県 | 飯を豊かに盛ったような山容説と、新潟県北蒲原郡に温泉があって「湯出(ゆいで)」に由来する説がある。 会津側では「いいとよさん」と呼んでいる。 |
MAP |
20 | 吾妻山 (あずまやま) |
2035m | 山形・福島県 | 東国を吾妻といったことに因む説や、吾妻連峰の1つの家形山が、福島側から見ると柱4本を立てた四阿に似ていることに由来する説などがある。 | MAP |
21 | 安達太良山 (あだたらやま) |
1700m | 福島県 | 古くからの地名は「安多太良」が「安達太良」になったのではないかと言われている。高村光太郎の詩集『智恵子抄』では「阿多多羅山」としている。最高峰の突起は「乳首」と呼ばれる。 | MAP |
22 | 磐梯山 (ばんだいさん) |
1819m | 福島県 | 昔は、天に通じる「石の梯(イワのハシ)」にたとえられ、磐梯神を頂上に祭って磐梯山(いわはしやま)と呼ばれたが、それが音読みされて「ばんだいさん」になったという。別称に磐代山・会津嶺・会津富士などがある。 | MAP |
23 | 会津駒ヶ岳 (あいづこまがたけ) |
2133m | 福島県 | 馬に因む名前だが、残雪が馬の形に似るのか、雪が解けた岩肌が馬の形に見えるのかは不明。駒ヶ岳〜大戸沢岳〜三ツ岩岳にかけて標高2000mの稜線を馬にたとえた、ということも考えられる。 | MAP |
24 | 那須岳 (なすだけ) |
1915m | 栃木県 | 土地を均す(ナラス)が縮まってナスになったと言う説がある。那須岳とは茶臼岳・朝日岳・三本槍岳の総称だが、それに南月山・黒尾谷岳を加えて那須五岳とも呼ぶ。茶臼岳は茶臼に似ていることからその名前がある。 | MAP |
25 | 魚沼駒ヶ岳 (うおぬまこまがたけ) |
2003m | 新潟県 | 別名「越後駒ヶ岳」。「駒」は馬に関係する地名で、山容は馬の姿に似ていることや、残雪が馬の形に残って農事暦と関係する山などに名付けられる。ここは山容に由来するのであろう。 | MAP |
26 | 平ヶ岳 (ひらがたけ) |
2141m | 新潟県 | 山頂は広くて平ら。それに由来する名前だが、それは越後側の呼称で、上州側では塗涌山と呼ばれていたという。 | MAP |
27 | 巻機山 (まきはたやま) |
1967m | 新潟県 | 古くから機織りの守護神として地元民に信仰された山で、それに由来する名前と思われる。 | MAP |
28 | 燧岳 (ひうちだけ) |
2356m | 福島県 | 爼ー(まないだぐら)の東北面に鍛冶鋏みの形の残雪が現れる説、火を吹く山だったことから火打と名付けられ燧の字が当てられた説などがある。尾瀬沼は、会津と上州の国境にある湖だから、昔は「さかひ沼」と言われていたようだ。 | MAP |
29 | 至仏山 (しぶつさん) |
2228m | 群馬県 | 至仏岳の別称がある。深田久弥の『日本百名山』によると、至仏山の名前は片品側の呼び名で、利根側では岳倉山と呼ばれているという。また大正時代、登る道がなくて渋沢沿いに登ったので、その「しぶっさわ」から来たのでは、との考えもある。 | MAP |
30 | 谷川岳 (たにがわだけ) |
1963m | 群馬・新潟県 | 谷川岳には「トマ・オキ」の、いわゆる「耳二つ」があり、昔はそう呼ばれていた。そして爼ーを谷川岳と呼んでいたのだが、国土地理院5万分の1地形図の誤記によって、現在の「トマ・オキ」が谷川岳になったという。トマは薬師岳、オキは谷川富士の別称がある。 | MAP |
31 | 雨飾山 (あまかざりやま) |
1963m | 長野・新潟県 | 雨乞いのために、山頂部に祭壇を飾って、降雨を祈願したことに由来するという。昔は天飾山、天粧山とも記された。 | MAP |
32 | 苗場山 (なえばさん) |
2145m | 長野・新潟県 | 高山帯の湿地に生えるミヤマイが多く、初夏に湿原で苗田代のように芽吹くのでその名があるという。 | MAP |
33 | 妙高山 (みょうこうさん) |
2454m | 新潟県 | 古くは「越の中山」と呼ばれ、名香山と書かれたのが「みょうこう」と音読みされて妙高になったという説がある。別名「越後富士」 | MAP |
34 | 火打山 (ひうちさん) |
2462m | 新潟県 | 火打ち石が産出されたことによる説があり、燧岳とともに火山に関係すると言われるが不明。 | MAP |
35 | 高妻山 (たかつまやま) |
2353m | 長野・新潟県 | 地元では戸隠山を表山、高妻山や乙妻山を裏山と呼んできた。高妻山の名の由来は分からない。 戸隠山には天の岩戸伝説があり、これに由来するのであろうか。 |
MAP |
36 | 男体山 (なんたいさん) |
2484m | 栃木県 | 男神大巳貴命を祭ることに由来すると思われる。別名に二荒山、黒髪山、国神山がある。奈良時代に勝道上人が初めて登頂したと伝わり、二荒山神社の御神体山として崇拝されてきた。7月31日の夜から1週間、登拝祭が行われ、賑わう。 | MAP |
37 | 奥白根山 (おくしらねさん) |
2578m | 群馬・栃木県 | 周辺の山では積雪量が多く、それに由来する名前であろう。周囲の山が解けてしまった5月でも、たっぷりと雪をまとっている。 | MAP |
38 | 皇海山 (すかいさん) |
2144m | 群馬・栃木県 | 深田久弥の『日本百名山』によると、木暮理太郎の考証だとして山名の由来があり、それによると昔はサク山、笄山と呼ばれ、それが皇開に、皇海になり、皇は「すめ」と読めるから「すかい」になったという。深田自身は「サク山は笏山から来たのではないか」と述べている。 | MAP |
39 | 武尊山 (ほたかやま) |
2158m | 群馬県 | 北アルプスの穂高岳と区別するために上州武尊山と呼ばれる。 山名は、日本武尊が東征の折に登ったという伝説に由来するというが、「ほたか」と難読させるのはなぜだろう。 |
MAP |
40 | 赤城山 (あかぎやま) |
1828m | 群馬県 | 大昔、赤城山の神(百足に化身)と日光男体山の神(大蛇に化身)が戦場ヶ原で戦い、傷ついた百足が赤城山に帰り、その血で山が真っ赤に染まり、以来「赤き山」と呼ばれるようになったという伝説がある。 | MAP |
41 | 草津白根山 (くさつしらねさん) |
2165m | 群馬県 | 白根山は積雪が多くて白い峰を意味する山名。根は峰の意味で箱根も同じ。 日光や甲斐の白根山と区別して草津白根山と呼ばれている。 |
MAP |
42 | 四阿山 (あずまやさん) |
2354m | 群馬・長野県 | 四阿山は山の形が東屋に似ているのでその名が付いた。別綴に吾妻山・吾嬬山などがある。 根子岳は、遠くから四阿山と一緒に見ると、猫の耳に似ているのでその名があるという。 |
MAP |
43 | 浅間山 (あさまやま) |
2404m | 群馬・長野県 | 地名辞典によると「あさま」は火山や温泉に関係しているという。黒斑山は三ッ尾根山とも呼ばれ、浅間山外輪山の最高峰。 | MAP |
44 | 筑波山 (つくばさん) |
877m | 茨城県 | 筑波岳、筑波嶺、筑波禰、筑波乃山などの別称があり、「紫の山」の愛称もある。由来は聳え立つ意味のアイヌ語の「ツクバ」から来た説、月の神が鎮座する平野の意味から「つくは」が生まれた説などがある。 | MAP |
45 | 白馬岳 (しろうまだけ) |
2932m | 長野・富山県 | 古くは「代馬岳」。山の南東面に雪解けの頃、岩肌に農耕馬の形が現れ、これから農繁期を迎えるところからこれを「代かき馬」と呼び、そこから「代馬」から「白馬」となった。「はくば」とは呼ばない。 | MAP |
46 | 五竜岳 (ごりゅうだけ) |
2814m | 富山県 | この地方で「菱」というと断崖、割菱のこと。岩肌に何本もの岩稜が走っているという山名。 武田菱に似た岩があり、武田の勢力にあったところから御菱(ごりょう)から五竜になった。 |
MAP |
47 | 鹿島槍ヶ岳 (かしまやりがたけ) |
2899m | 長野・富山県 | 古くは、残雪の形から鶴ヶ岳、シン岳などと呼ばれ、2つの峰が競うように聳えていることから背比岳ともいわれたという。 現在は「鹿島地区にある槍ヶ岳」に由来する。 |
MAP |
48 | 剱岳 (つるぎだけ) |
2999m | 富山県 | 剱岳や剣山、剣ヶ峰などは山容が剣のように尖っている山とか、山岳信仰によって剣を奉納した山に付けられた名前。 | MAP |
49 | 立山 (たてやま) |
3015m | 富山県 | 立山は楯山などの名前は屏風を立てたような山、立ちはだかる山などに付けられる。 立山という峰はなく、雄山・大汝山・富士ノ折山の総称。また、別山・浄土山と合わせて立山三山とも呼ばれる。 |
MAP |
50 | 薬師岳 (やくしだけ) |
2926m | 富山県 | 薬師岳や薬師山は各地にあるが、薬師信仰に由来する名前。ここ薬師岳は有峰村の人々によって開かれた山で、頂上に小社があり、薬師如来を祭る。 | MAP |
51 | 黒部五郎岳 (くろべごろうだけ) |
2840m | 富山・岐阜県 | 富山県の山村では岩場のことを「ゴーロ」と呼び、黒部川の源流で岩場を持つことからその名が付いた。 | MAP |
52 | 黒岳 (くろだけ) |
2986m | 富山県 | 別名、水晶岳ともいう。水晶と名の付く山は各地にあり、水晶を産する山とか、水晶を産する谷の源頭にあたる山などに付けられる。 | MAP |
53 | 鷲羽岳 (わしばだけ) |
2924m | 長野・富山県 | 山頂部が鷲が羽ばたいているように見える山容に由来する。 | MAP |
54 | 槍ヶ岳 (やりがたけ) |
3180m | 長野県 | 槍の鋭い穂先に似た山容に由来する。山頂の北西に小槍・孫槍・曾孫槍と呼ばれる鋭鋒がある。 類似の山名の鑓ヶ岳は白馬鑓と通称され、鹿島槍ヶ岳は鹿島槍と略される。 |
MAP |
55 | 穂高岳 (ほたかだけ) |
3190m | 長野・岐阜県 | 穂高岳は最高峰の奥穂高岳のほかに涸沢岳・北穂高岳・前穂高岳・明神岳・西穂高岳などの総称。古い文献に秀高岳と記され、また山容が御幣に似ているので御幣岳の名もあったが、大正中期になって現在の名に落ち着いたという。 | MAP |
56 | 常念岳 (じょうねんだけ) |
2857m | 長野県 | 常念岳は、昔は「常念坊」と呼ばれていた。坂上田村麻呂がこの地方を制していた八面大王を征服した時、重臣の常念坊がこの山に逃げたので常念坊と呼ばれた説、山からお経と鐘の音が一晩中聞こえて来たことから常念坊と呼ばれた説などがあり、それが常念岳になったという。 | MAP |
57 | 笠ヶ岳 (かさがたけ) |
2898m | 長野県 | 笠ヶ岳や笠形山、笠取山などは、人が菅笠をかぶったような山容をしているからその名が付いたのが多い。 ここの笠ヶ岳は、どの方面から見ても笠の形をしている。 |
MAP |
58 | 焼岳 (やけだけ) |
2455m | 長野・岐阜県 | 焼山とか焼岳は火山活動のあった山、山が焼けているように見える山名。ここもそれに由来する。 | MAP |
59 | 乗鞍岳 (のりくらだけ) |
3026m | 長野・岐阜県 | 馬の背に鞍を置いたような山の姿に由来するという。古称は位山、安房山。 乗鞍岳は乗鞍火山群の総称で、最高峰の剣ヶ峰のほか約20峰がある。 |
MAP |
60 | 御嶽 (おんたけ) |
3067m | 長野県 | 古くは「みやま・みたけ」などと呼ばれ、山のなかでも王と尊称された。 御嶽信仰が普及するにつれて御嶽と呼ばれだし、親しみを込めて「木曽の御嶽山」となった。 |
MAP |
61 | 美ヶ原 (うつくしがはら) |
2034m | 長野県 | 昔は美ヶ原という名前はなかった。観光目的でその名前が付いたと思われる。 美ヶ原を開拓したのは山本小屋の創設者山本俊一。 |
MAP |
62 | 霧ヶ峰 (きりがみね) |
1925m | 長野県 | 名前の通り、霧が多いことに由来する。 | MAP |
63 | 蓼科山 (たてしなやま) |
2530m | 長野県 | 古くから詩歌に謳われてきた名山で、古くは立科山と書いた。「たてしな」の由来はわからない。 別称が諏訪富士、飯盛山、高井山。 |
MAP |
64 | 八ヶ岳 (やつがたけ) |
2899m | 長野・山梨県 | 赤岳は酸化した山肌が赤みを帯びた褐色なので、それに由来する名前。阿弥陀岳は、山岳信仰を具現化した地名。なお、八ヶ岳の8つの峰は特定できないと思う。漠然と多数の峰を指して「八」の字を当てたと考えられる。 | MAP |
65 | 両神山 (りょうかみやま) |
1723m | 埼玉県 | イザナミ・イサナギの2神を祭るから両神山だという伝えがあるが、日本武尊が戦勝祈願で筑波山へ登る途中、西方に8日間も見え続けた山に因んだ八日見山という伝えの他に、竜神山、竜頭山などの、多くの呼び名と伝説を秘めた山。 | MAP |
66 | 雲取山 (くもとりやま) |
2017m | 埼玉県・東京都 | 『武蔵名勝図絵』では、日原村の項目で「大雲取山村の西にあり。甲斐丹波山村と秩父郡大血川村の堺によれり。この辺は悉く高山なれど、わけてこの山は峻峰にして、雲をも手に取るが如く思うというより斯くは号するなり。」と説明している。古い文献を漁ると「雲取の名は熊野の雲取山から導かれた」としたものもあり、「雲採」の文字も見られる。 | MAP |
67 | 甲武信岳 (こぶしだけ) |
2475m | 長野・山梨・埼玉県 | 別訓を「こうぶしんだけ」とした辞典がある。山名は甲斐・武蔵・信濃の3境の合成説が一般的だが、コブシに似た山容から拳ヶ岳、または三方山、三国山などの名前もある。 | MAP |
68 | 金峰山 (きんぷさん) |
2599m | 長野・山梨県 | 奈良の吉野山の一峰、金峰山から蔵王権現を文祀したことによるという。幾日峰の別称もある。 | MAP |
69 | 瑞牆山 (むずかきやま) |
2230m | 山梨県 | 『日本の山々』の原全教氏によると、明治時代に山梨県の武田知事が名付け親だそうだ、とある。地元では瘤岩と呼んでいた。 麓の金山平は、武田信玄の時代に金山があり、金山千軒と称された。 |
MAP |
70 | 大菩薩岳 (だいぼさつだけ) |
2057m | 山梨県 | 大菩薩峠周辺は、昔は萩原山と呼ばれていたが、『小菅村郷土誌』では神部山だったという。大菩薩の名前が生まれたのは、源義家の弟新羅三郎義光(甲斐源氏の祖)が、奥州遠征の折に「北斗妙見菩薩」を唱えたことからその名前が付いたと伝わる。 | MAP |
71 | 丹沢山 (たんざわやま) |
1567m | 神奈川県 | 丹沢山の名前は、明治時代の陸地測量で、ここへ1等三角点を置き、仮称として丹沢山の名前を用いたのが定着したという。蛭ヶ岳は、猟師が使う山頭巾をヒルと呼び、それに山容が似ているからという説、山蛭が多かったことに由来する説などがあり、別称に薬師岳がある。 | MAP |
72 | 富士山 (ふじさん) |
3776m | 山梨・静岡県 | 山名については定説がない。アイヌ語の火の神という意味の「フチ」に由来する説、朝鮮語のPul(プル。火の意味)からの考えとする説、藤の花が垂れ下がるような空に架かった長い裾野との説、虹のことを「フシ」と呼ぶ方言があることから、天空に架かる美しい山裾を虹にだぶらせた説など、様々に考えられる。 | MAP |
73 | 天城山 (あまぎさん) |
1406m | 静岡県 | 狩野山・尼木山の別名がある。木甘茶を産したので「あまぎ」の山の名になったという。天城山と呼ぶ峰はない。 | MAP |
74 | 木曽駒ヶ岳 (きそこまがたけ) |
2956m | 長野県 | 山容が馬に似ている、残雪が馬の形に見える、馬の病によい観音があるなどに由来する。ここの駒ヶ岳は山上に神馬が棲むとも言われ、信仰登山の対象になった。また、各地の駒ヶ岳と区別するために木曽駒ヶ岳と呼ばれ、甲斐駒(東駒)と区別する為に西駒と呼ばれる。 | MAP |
75 | 空木山 (うつぎだけ) |
2864m | 長野県 | 伊那谷から望む「ウツギ」の木に似ているのでその名があるのだろうと言われている。 | MAP |
76 | 恵那山 (えなさん) |
2191m | 長野・岐阜県 | 美濃の名山で「胞衣山・舟覆山・横長岳・野熊山」などの別名が多い。天照大神が産湯に使った時、その胞衣を山中に埋めたという伝説に由来する名前。山頂の恵那神社はイザナギ・イザナミの2神を祭る。 | MAP |
77 | 甲斐駒ケ岳 (かいこまがたけ) |
2967m | 長野・山梨県 | 略して甲斐駒と愛称され、古くは白崩山と呼ばれた。「駒」は巨摩郡(現在は北杜市)に属するからといわれ、高麗人の住む里、馬を産した里だから、などの説がある。 | MAP |
78 | 仙丈岳 (せんじょうだけ) |
3033m | 長野・山梨県 | 千丈岳、前岳などの別名がある。広々としたカール地形の千畳敷から名が付いた説、山の高さを形容する千丈に由来する説などがある。 | MAP |
79 | 鳳凰山 (ほうおうさん) |
2840m | 山梨県 | 法皇になった孝謙天皇の伝説や、薬師岳に立つ2つの巨岩を崇拝したことなどによるという。 オベリスクは地蔵仏・大日岩とも呼ばれる。 |
MAP |
80 | 北岳 (きただけ) |
3192m | 山梨県 | 北岳、間ノ岳、農鳥岳一帯の山体を白根山と呼び、その一番北にあることから北岳と呼ばれた。現在では、それぞれを1つの山として取り扱っている。白根山とは、「白い雪をかむった山」という意味である。これらの山々を白峰(しらね)三山と言うこともある。 | MAP |
81 | 間ノ岳 (あいのだけ) |
3189m | 山梨・静岡県 | 白根山のうち北岳と農鳥岳の間に位置するということから命名された。 | MAP |
82 | 塩見岳 (しおみだけ) |
3052m | 長野・静岡県 | 塩泉である鹿塩温泉の上にある山だからという説と、山頂から海(駿河湾)が見えるという説など様々あるが前者が一般的。 | MAP |
83 | 悪沢岳 (わるさわだけ) |
3141m | 静岡県 | 荒川岳(東岳・中岳・前岳)の呼び名は山麓の県によって異なる。最高峰の東岳は山梨側では悪沢岳、静岡側では地蔵岳、長野県側では東岳と呼ぶ。 | MAP |
84 | 赤石岳 (あかいしだけ) |
3120m | 長野・静岡県 | 赤石沢に多い紅色のラジオラリア磐岩に由来するという。 | MAP |
85 | 聖岳 (ひじりだけ) |
3013m | 長野・静岡県 | 山頂の東南を流れる聖沢が肘を曲げたような形をしていて、そのヒジルから転化したという。 | MAP |
86 | 光岳 (ひかりだけ) |
2591m | 長野・静岡県 | 山頂にある光石が夕日に映えて光ることに由来する。 | MAP |
87 | 白山 (はくさん) |
2702m | 石川・岐阜県 | 1年の半分が雪を頂く「白い山」が定説。古くは「しらやま」と呼んだ。広義には主峰部のほか別山、四塚山なども含む広い山域をさす。 | MAP |
88 | 荒島岳 (あらしまだけ) |
1523m | 福井県 | 麓の大野から眺める姿に風格があり、古くから山頂に社が祭られてきた。山名の由来は定かではないが、神秘の山を畏怖する気持ちが込められていると思う。延喜式において、阿羅志摩我多気(あらしまがたけ)と記載されているのが、山名の初見である。 | MAP |
89 | 伊吹山 (いぶきやま) |
1377m | 滋賀県 | 本州の最も狭まった所に位置し、冬の季節風の影響を受けやすく、時としてドカ雪に見舞われる。 その吹きおろす風から息吹く山、伊吹山となったのではないかと言われている。 |
MAP |
90 | 大台ヶ原山 (おおだいがはらさん) |
1695m | 三重・奈良県 | 昔は太平と呼ばれた。それが大平平になり大台ヶ原と変化した。その後に山が付いた。大台ヶ原という名の峰はなく、日出ヶ岳・正木嶺・巴岳のほか牛石ヶ原・正木ヶ原・大蛇ーなどの総称。 | MAP |
91 | 大峰山 (おおみねさん) |
1915m | 奈良県 | 大峰山を開山した役行者が法華経八巻を埋めたという修験道の霊地であることから発した名で、鉢経とも書く。 ほかに八剣山、仏経ヶ岳の別名がある。 |
MAP |
92 | 大山 (だいせん) |
1729m | 鳥取県 | 古代より霊山として信仰を集め、出雲風土記に大神岳として登場しているが、恐らくこれに由来すると思われる。また大山一帯の峰々の名は、ほとんど山岳仏教の用語に因む。別名伯耆富士。なお山陰地方では山を「セン」、峠を「乢(タワ)」と呼んでいる。 | MAP |
93 | 剣山 (つるぎさん) |
1955m | 徳島県 | 頂上にある宝蔵石の下に安徳天皇の御剣を埋め、これを御神体とした説と、頂上下にある高さ35mの巨岩が剣の形をしているからという2説がある。 | MAP |
94 | 石鎚山 (いしづちやま) |
1982m | 愛媛県 | 山岳宗教「石土昆古神」を古くから祭っていたので石鎚山と呼ばれるようになったという。一般には南尖峰・天狗岳・弥山の三山を総称して石鎚山と呼ばれている。弥山に石鎚祠がある。 | MAP |
95 | 九重山 (くじゅうさん) |
1787m | 大分県 | 久住山は九重連山の南北にあった寺院の山号が山名になったもので、久住山は「久住山猪鹿狼寺」からきたもの。九重山と久住山は300年にわたって争われ続けてきたが、現在では総称を九重山、峰を久住山とすることで落ち着いている。 | MAP |
96 | 祖母山 (そぼさん) |
1756m | 宮崎・大分県 | 伝説によると健男霜凝日子とともに神武天皇の祖母にあたる豊玉姫が祀られたことから、この名が付いたという。 | MAP |
97 | 阿蘇山 (あそさん) |
1592m | 熊本県 | 阿蘇山は「噴煙をあげて燃える山、火の山」の意味。高岳の名の由来ははっきりしないが、阿蘇五岳(中岳・烏帽子岳・杵島岳・根子岳・高岳)の中で最も標高が高かったためというのが一般的。 | MAP |
98 | 霧島山 (きりしまやま) |
1700m | 宮崎県 | 霧島の名は霧や霧氷の多いことに由来する。韓国岳は山頂からの展望があまりにもよく、韓の国(朝鮮半島)まで見渡せることからこの名が付いた。 | MAP |
99 | 開聞山 (かいもんだけ) |
922m | 鹿児島県 | 古くから鹿児島湾に出入りする船舶に「海門の山」として格好の目標とされていたことに由来する。 | MAP |
100 | 宮ノ浦岳 (みやのうらだけ) |
1935m | 鹿児島県 | 昔から信仰登山や岳参りの対象になり、山中に木の神・山の神(一品法寿大権現)などの小社(石の祠)が多く祭られている。深田久弥の『日本百名山』によると、『延喜式』に出ている益救神社が宮之浦集落にあり、そのお宮から宮之浦の村名が生まれ、その名が山に冠せられたという。 | MAP |
山頂所在地は山域ではなく、あくまで地図上で山頂のある都道府県です。 参考資料 : 昭文社 日本百名山を登る・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) 他 |