白瀧神社の由来
桐生市川内町五丁目(旧仁田山[にたやま])に鎮座する白瀧神社の御祭神は、天八千々姫之命[あめのやちちひめのみこと](織物、紡績の神)に白瀧姫の御霊を合祀したものである。
白瀧姫は、横萩右大臣豊成公[よこはぎうだいじんとよなりこう]の二女として、天平宝字年間(七五七〜七六五)に京都にお生まれになった。長じて御所に白瀧の前[きさき]と称し官女として奉仕したる折りに、仁田山の住人、山田の舎人[とねり]が郡役として御所に奉仕した。当時文学盛んにしてしばしば御歌の会が催され、数々の詠進の中に白瀧の前と山田の詠進に、相互の思慕の念顕れこの由、叡聞[えいぶん]に達し御感[ぎょかん]のあまり、白瀧姫を山田の舎人に下され相伴い仁田山の里に帰り来しと云う。
白瀧姫は養蚕・製糸・機織りの業をよく修め、これを里人に教え土地の産業として広く及ぼした。依って織物発祥の祖神として機神天神として奉り、祭事を執り行い、明治の初年『白瀧神社』と改称し、現在の社殿を修造する。その後、織物の隆盛に伴い、崇敬者の寄進により、神楽殿・手水舎・社務所・参集殿を築造し、社頭整備等で尊厳維持をはかる。桐生市の名勝の一つにかぞえられている。
境内の『降臨石』と称する大岩は、その昔岩に耳をあてると機音が聞こえたが、不心得者が雪駄を履いて岩に上がってから機音が止まってしまったとの言い伝えがある。
白瀧神社所在地 : 群馬県桐生市川内町5丁目3288
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