剱岳

Part.1

山 名 剱岳(剣岳)
標 高 2999m
山 域 北アルプス(富山県)
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日 程 2007年8月12日(日)〜14日(火)
天 気 @晴れ A晴れ B晴れ
メンバー 神楽師、息子
標高差 599m(累計標高差:1223m)
歩行距離 16.5Km
歩行時間 11時間40分
駐車場 無料
アルペンルート \8,800(往復)
   
一般道距離 往路:60Km 帰路:60Km
高速道距離 往路:182Km 帰路:182Km
高速道料金 往路:\4,350 帰路:\4,350
行程 自宅(4:30)→伊勢崎I・C→豊科I・C→(7:50)扇沢(8:30)→(8:46)黒部ダム(9:15)→(9:20)黒部平(9:30)→(9:37)大観峰(9:45)→(9:55)室堂(10:05)→(10:50)雷鳥平→(12:40)別山乗越(13:10)→(13:45)剱沢キャンプ場→(14:25)剣山荘泊(3:40)→(4:00)一服剱(4:05)→(4:55)前剱(5:10)→(6:00)カニのタテバイ→(6:30)剱岳山頂(7:10)→(7:30)カニのヨコバイ→(8:15)前剱(8:20)→(9:05)一服剱(9:10)→(9:25)剣山荘(10:05)→(11:25)別山乗越(12:15)→(13:25)雷鳥平→地獄谷→(14:30)雷鳥荘泊(7:30)→室堂(8:45)→(8:55)大観峰(9:10)→(9:17)黒部平(9:55)→(10:00)黒部ダム(11:30)→(11:41)扇沢(12:20)→豊科I・C→伊勢崎I・C→(16:30)自宅

【往路】 伊勢崎I・Cで北関東道に入り、上信越道・長野道を走り豊科I・Cで高速を出ます。豊科I・Cの出口を直進しますが、ここでチョットした失敗。当初予定していたのは国道147号線に出る手前から信号の少ない抜け道に入るはずだったのですが、うっかり過ぎてしまい仕方なく147号線を扇沢へ向かう事にしました。でも朝早い時間だったので比較的空いていて助かりました。
家を出るときは曇っていた空も目的地が近くなるにつれて綺麗に晴れ渡ってきています。今日も暑くなりそうだ。

扇沢駅
扇沢駅

【7:50】 扇沢到着
扇沢の手前200m位の所で係員が交通整理をしています。既に駅前の有料無料両駐車場共に満車になっている様で、扇沢ロッジの方へ誘導されました。それもロッジ手前の一番奥です。8時じゃ遅いのかー!
用意を済ませ駅に向かいますが、600m位のチョットした上り坂でいきなり汗を掻いてしまいました。しかもほとんどが観光客で場違いな感じがします。
駅はそれ程混雑はしていません。チケット売り場が混んでいると大変だと思い、前売りチケットを購入していたのですが、余り意味が無かったようです。トロリーバスには意外とスムーズ乗ることが出来ましたが、順番が遅かったので残念ながら座る事は出来ませんでした。

【8:46】 黒部ダム到着
バスを降り、トンネルを少し歩くと黒部ダムに出ます。見物は帰りにするので先を急ぎます。
黒部湖から黒部平へは、ケーブルカーで上がります。
【9:20】 黒部平到着
ロープウェイの乗車まで少し時間があったので、屋上の展望台に行って見ました。ここは大観峰のうしろに見える立山や黒部川対岸の後立山連峰を見渡せる絶好の場所です。
【9:37】 大観峰到着
ここでの眺めも素晴らしいのですが、次のトロリーバスがすぐ出るので急ぎます。ここは空いていたので、座って乗る事が出来ました。

アルペンルート(黒部ダム〜室堂)については「写真館」で詳しく紹介していますのでご覧ください。

黒部ダム
黒部ダム

みくりが池の後に別山乗越と剱岳が少し見える
みくりが池の後に別山乗越と剱岳が少し見える

【9:55】 室堂到着・登山開始
室堂駅のトロリーバス到着口は地下になります。階段を登り駅から外に出ると、そこには雲ひとつ無い青空が広がっていました。ここに来ると登山者も多くなってきましたが、まだ圧倒的に観光客が多いです。
周りの山もハッキリ見え、4年前に立山 に登った時の記憶がよみがえってきます。
室堂からは、まず雷鳥平へ向かいます。途中のみくりが池温泉で日焼け止めを塗ったり、靴紐を締め直して登山に備えます。
適当に塗った日焼け止め。後であんなに後悔する事になろうとは・・・!!!

【10:50】 雷鳥平
雷鳥平へは室堂から約160m降る事になり、雷鳥荘付近から下を見ることが出来るようになりますが、何だか嫌になります。どこの山でも思うことですが、登山時に降るのはもったいない気がしますよね。
テント場の中を通り木の橋を渡ると、立山方面との分岐が有ありますので左へ進みます。その後すぐ有る大日岳方面との分岐を右に入ればいよいよ雷鳥沢の登りが始まります。
別山乗越までは標高差で500m弱程有りますが、ダラダラ登る感じで見るからにつらそうです。

雷鳥平より見上げる別山乗越
雷鳥平より見上げる別山乗越

雷鳥沢の登山道
雷鳥沢の登山道

登り始めは余り傾斜はきつく無いのですが、登山道には石がゴロゴロしていて少し歩きづらいです。周りには高い木が無く、太陽は容赦なく後頭部から照り付けます。ドンドン汗が噴出してくるので、水分補給はシッカリしなくてはなりません。随分登ったなと思い後ろを振り返って見ると、室堂駅が丁度正面に・・・。「なんだよー、やっとスタートの高さかー?」がっくりです。
道は徐々にジグザグになり傾斜を増していきます。特に変化の無い登山道に飽きてきますが、小さくなる雷鳥平のテントを見ると、少しづつでも登っている事を実感します。道はさらに傾斜を増し、目標を見上げる様になってきました。頑張って登り続けると建物が見えてきます。さあ、最後の一踏ん張りです。

【12:40】 別山乗越到着
何とか1時間50分かけて登ってきました。単調な登り坂に加えこの暑さはこたえます。精神的にも体力的にもきつかったです。
ここには剣御前小屋があり、大勢の人が休んでいて我々もここで昼食をとる事にします。剱沢の方を見ると、そこには剱岳の岩峰が大きくそびえています。室堂からは剱岳の姿をほんの少ししか見ることは出来ませんでしたが、ここに来て初めてその全容を見ることが出来ました。いやー、大迫力ですね。
30分程休んでから、剱沢へ向けて出発です。ここから今日の宿泊予定の剣山荘までは、ほぼ降りなので気が楽になります。途中の剱沢キャンプ場には色とりどりのテントが多く張ってあり、皆明日の剱岳へ備えているようです。

剣御前小屋
剣御前小屋

別山乗越から見た剱岳
別山乗越から見た剱岳

キャンプ場から見える剱沢小屋
キャンプ場から見える剱沢小屋

剣山荘
剣山荘

キャンプ場から剣山荘までは若干の降りです。山荘は目の前に見える様な感じですが、なかなか着きません。剱岳は徐々に大きくなって来ますが、山頂は前剱に隠れてしまいます。雪渓を渡り、ほんの少しアップダウンを繰返すと、間もなく剱山荘です。

【14:25】 剣山荘到着
山荘前には多くの人が休んでいました。早く到着した人、今日剱岳登山をした人、色々の様です。別山乗越からは降りだったにもかかわらず、何だか疲れました。
山荘に着いたら、まず受付です。男2人で予約はしていないと言うと、「予約して無いと布団1枚に2人以上になります」との事。予約有無では扱いが違うようです。

山荘前にはきれいな水があふれる様に出ています。受付を済ませたら、靴を脱ぐ前に喉をうるおします。その美味しさと冷たさは疲れた体を生き返らせてくれました。ここ剣山荘は2005〜6年の冬に雪崩で倒壊してしまい、昨年は再建の為休業していたそうです。今年の7月1日に新築オープンした様で、中も外も新しくとてもきれいでした。部屋は全て2階になり部屋によって2段ベッドになっていたり、畳だけだったりします。私たちの部屋は8畳の畳部屋です。入ったときには先客が3人しかいませんでしたが、まだまだ来そうな感じです。嬉しい事に、ここにはシャワーが有ります。男女各3つあり、当然石鹸は使えませんが汗を流すだけでも気持ちがすっきりします。時間によってはほとんど待たずに使えますので、ぜひご利用ください。
それから、館内放送で言っていたのですが、剱岳の剣山荘・剱沢小屋・剣御前小屋は全て完全予約制をとっているとの事。現に剱沢小屋では、予約していない人は断っているそうです。さすがに剣山荘ではこれより先に小屋が無いので断ってはいませんが、出来る限り予約して欲しいと言っていました。でも山荘のHPには予約制では無いと書いてあるんですけどね・・・。
私たちは当初剱岳へは山荘で朝食をとった後登るつもりでいたのですが、今日朝食後に出て登ったと言う同部屋の人の話を聞くと、「タテバイ・ヨコバイで20分以上待った」との事。明日は今日以上に登る人がいそうなので、遅い時間では大渋滞になるかもしれません。急遽受付に行き朝食を弁当に変えてもらいました。
私たちの部屋にも続々と人が入り、最終的に18人。2人で1枚の布団では足りません。最後には何人かが廊下に出たり、リネン室で寝たりと少し余裕も出ましたが・・・寝られません。人が多いので窓を開けていても暑い。その上、凄いイビキ。耳栓をしていても効果なし。ウトウトしては起き、ウトウトしては起き、の繰り返しです。
結局熟睡出来ぬまま午前3時、既に出発する人もいるので私たちも用意を始める事にしました。荷物は昨日のうちにサブザックへ詰めていたので、今朝は顔を洗ったりトイレへ行ったりして簡単に準備を整えます。外に出ると周りは真っ暗、空は満天の星空です。山の夜はこれが楽しみなんですね。

【3:40】 剱岳へ、いざ出発
真っ暗な中、剱岳へ向けて出発です。ヘッドライトと前を行く人を頼りに登ります。前には先行する人たちのライト、後ろには剱沢から向かって来る人たちのライトが続いています。こんな早くから多くの人が頂を目指しているんですね。最初は普通の登山道の様で歩きづらくありません。やがて大き目の岩が現れ、すこし登ると一服剱です。

【4:00】 一服剱到着
まだ周りは暗いので景色は見えませんが、東の空は明るくなってきていて稜線がきれいに見えています。少し休んで出発です。ここからは降りになるみたいですが、暗くてよく分かりません。まだか?と言うほど降ったら今度は登りです。この辺からは完全な岩山となるので浮石に注意して登ります。周りも徐々に明るくなり前剱も見えてきました。東の空も随分明るくなってきてしまったので、日の出前には前剱に着こうと頑張ります。

【4:55】 前剱到着
到着を待っていたかのようにご来光です。雲ひとつ無い空に五龍岳から昇る朝日。何回見ても山でのご来光は幻想的で素晴らしいです。感動です。

前剱へ最後の登り
前剱へ最後の登り

五龍岳から昇る朝日
五龍岳から昇る朝日

朝日に照らされる剱御前
朝日に照らされる剱御前

平蔵谷上部の岩をトラバース
平蔵谷上部の岩をトラバース

前剱を過ぎると、いよいよ剱岳の本格的な岩場が続きます。まず最初の難関は、平蔵谷の上部にある岩です。細い鉄製の橋を渡り、鎖を頼りにトラバースします。足場は10〜20cm位ありますので、実際には鎖を使わなくも大丈夫です。基本的に鎖場は登りと降りで一方通行になっていますので、矢印に従って進みましょう。気の抜けない岩場の連続です。
何回かアップダウンを繰返した後、尾根に立つと前には平蔵のコル、正面には剱岳山頂の岩峰が目に飛び込んできます。そして、その岩に張り付く人が小さく見えています。そう、これがカニのタテバイです。遠くから見ても、その高さは見て取れます。
さあ、いよいよ核心部です。

トラバース後には降るんです
トラバース後には降るんです

タテバイに張り付く登山者
タテバイに張り付く登山者

【6:00】 カニのタテバイ
平蔵のコルにある、背丈ほどの雪渓の横を抜けてカニのタテバイへ向かいます。混んでいるときはここで30分〜1時間も待つことがあるというのですが、この日は5分位ですみました。山荘で同部屋の人の話を聞いて早出した甲斐がありました。下から見たタテバイはほぼ垂直に見え高さもあります。
いよいよ登攀開始です。実際登ってみると見た目ほど大変ではありません。足場の無さそうな所は鉄杭が打ってあったりするので、特に危険だという感じはしませんでした。私自身、クライミングの経験はまったく有りませんが、1・2ヶ所しか鎖は使わずほとんど3点支持で上まで行けました。鎖は不安定なので頼りすぎると左右に振られて危険です。3点支持を基本にして、補助的に鎖を使う方が安全に登れるようです。上体はなるべく岩から離した方が次の手掛かりが見つけ易くなります。
一番大変な部分は高さにして15m程でしょうか。最上部からはさすがに高度感があります。高い所が苦手な方は、途中で下を見ないようにしましょう。

下から見たタテバイ
下から見たタテバイ

上から見たタテバイ
上から見たタテバイ

息子も無事通過
息子も無事通過

山頂への最後の登り
山頂への最後の登り

タテバイを登りきると一旦横に出て、岩の間をすり抜けるようにまた上へ登ります。
この岩を越えると、山頂への最後の登りです。ここからは大小の石が積み重なっているガレ場になります。この辺に来ると下山する人とすれ違うようになりますが、この時間に下山と言うことは3時前に出発した人達なのでしょうね。
傾斜は徐々に緩やかになり、尾根に出ると少し先に祠が見えてきました。
そうです、いよいよ山頂に到着です。

剱岳Part.2 へつづく

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