穂高岳

山 名 穂高岳 (涸沢)
標 高 3190m (2309m)
山 域 北アルプス(長野県)
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日 程 2006年10月7日(土)〜8日(日)
天 気 @晴れ後雨 A雪後雨時々晴れ
メンバー 神楽師、息子
標高差 804m(累計標高差:1028m)
歩行距離 31.2Km
歩行時間 16時間50分
駐車場 \1,000(2日分)
タクシー \975(1日目)
バス \1,000(2日目)
一般道距離 往路:53Km 帰路:53Km
高速道距離 往路:190Km 帰路:190Km
高速道料金 往路:\4,450 帰路:\4,450
行程 自宅(4:00)→伊勢崎I・C→松本I・C→(7:15)沢渡(7:45)→タクシー→(8:10)上高地(8:20)→(9:05)明神館(9:15)→(10:05)徳沢園(10:15)→(11:10)横尾(12:00)→(12:50)本谷橋→(14:50)涸沢ヒュッテ泊(9:00)→(10:50)本谷橋→(12:00)横尾(13:00)→(13:50)徳沢園(14:00)→(14:40)明神館(14:50)→(15:25)上高地(16:15)→バス→(16:45)沢渡(17:10)→松本I・C→伊勢崎I・C→(21:30)自宅

【往路】 槍ヶ岳の時と同様に伊勢崎I・Cから北関東道・上信越道・長野道を走り松本I・Cで降ります。直前まで秋雨前線の停滞や台風の接近などので家を出る時は雲が厚かったのですが、長野に入ると青空が見え始めてきました。松本I・Cからは沢渡までは約33Kmの一般道走行です。沢渡の駐車場には多くの車が入っており、道路沿いの駐車場は既に満車でした。

沢渡駐車場タクシー乗り場
沢渡駐車場タクシー乗り場

【7:15】 沢渡着
沢渡から上高地へはバスがタクシーになります。今年からタクシーが定額運賃(中型車:\3,900、小型車:\3,500)となったらしく、勧誘が激しかったです。今回は試しにタクシーで行くことにし、待っているとドライバーが2人連れを連れてきました。車は中型車で4人乗り、\3,900を4で割ると1人\975。バスは\1,000ですので少し安い計算になります(ドライバー談)。しかし、バスの場合往復券ですと\1,800で行けますので、中型車4人乗りでは安くはありません。タクシーで行くならば、中型車5人乗りか小型車ですね。まあ、乗り心地はタクシーの方が良いのは言うまでもありませんけど・・・。

【8:10】 上高地着
沢渡からタクシーで約25分、上高地に到着しました。まだ時間が早い事もあり、観光客は少なく登山者が目立ちます。あと数時間もたてば、ここも観光客でごった返すのでしょうね。
河童橋の所でも人は疎らです。沢渡駐車場がいっぱいだった事から、登山者の多くは既に出発している様です。

【8:20】 登山開始
涸沢に向けてスタートです。空は雲に覆われていて所々青空が顔を出していますが、雨は少しですが降ったり止んだりの状態です。これから青空が広がる事を信じて歩きます。

上高地バスターミナル
上高地バスターミナル

河童橋
河童橋より いざ、穂高岳へ

明神館への道
明神館への道

明神館
明神館

【9:05】 明神館到着
上高地からは平坦な道なので順調です。観光客らしき人が少し居るようですが、殆どが登山者です。上高地から横尾までは3〜4Km間隔で目標となるものがあり、合計で約10Kmなのですが気分的に楽に歩けます。ただし、楽に歩けるからといってオーバーペースになると後で足に来ます。今回はチョット失敗したような気がします。

明神館からの道も相変わらず平坦で、林の中を歩く事が多く飽きてしまいますが、時々見える梓川の美しさに頑張る気持ちがわいてきます。

【10:05】 徳沢園到着
徳沢園にも多くの人が休んでいます。さすがにここまで来ると、観光客は居ないようです。周りの木々は少し色付いてきており、涸沢の紅葉に期待が高まります。徳沢園の100m位手前に公衆トイレが有りますので、休憩する前に済ませておいたほうが良いでしょう。

徳沢園から先の道には、所々綺麗に色づいた葉が目立ちはじめてきました。

梓川
梓川

徳沢園
徳沢園

所々に綺麗な紅葉
所々に綺麗な紅葉

横尾
横尾

【11:10】 横尾到着
横尾に近付くにつれて道はやや細くなりほんの少しアップダウンがあります。標高差も約60m程あり、最近は長距離を歩いていなかったので疲れが出始めてきました。
横尾に着くとやはり人で一杯です。男子トイレまで行列が出来ていました。ここは槍と穂高の分岐点となりますが、今日は殆どが穂高方面に行くような感じで、涸沢の混雑が予想されます。ここで昼食をとり、明日は横尾山荘に宿泊予定なので予約確認の為立ち寄ります。

横尾からの道は、やっと登山道らしくなってきます。道は細く石も多くなりますが、まだ急登と言うほどでは有りません。屏風岩を回り込むように登山道はありますが、岩はガスがかかっていて良く見えません。太陽も時々顔を出したりしますが、雨も降ったり止んだりです。しかも、その量はだんだん増えてきて、この先が不安です。

登山道らしくなってきた
登山道らしくなってきた

本谷橋
本谷橋

【12:50】 本谷橋到着
ここは休憩には絶好のポイントで、多くの人が休んでいました。私たちもここで休憩と思ったのですが、雨があまりにも強くなってきたので休む前にレインウエアーを着用します。

本谷橋から涸沢までは標高差500m以上の本格的な登山道になります。大きな石も多く急登の連続で、登山者も多くなり行列になっています。雨はさらに強く本降りになってきてしまいました。息を切らし時々休みながらしばらく登ると、遠くのほうに涸沢と登山者の行列が見えてきました。もう一頑張りですが、ここからがまた長く感じます。涸沢ヒュッテ手前も渋滞で時々立ち止まる程でした。

涸沢が見えてきた
涸沢が見えてきた

涸沢ヒュッテ前の行列
涸沢ヒュッテ前の行列

【14:50】 涸沢ヒュッテ到着
雨で滑りやすい登山道を、何とか登り涸沢ヒュッテに到着です。ヒュッテの中は人でごった返していました。人を掻き分けながら中に入り受付をすると、「今日は大変混雑しますので、1畳に3・4人となります」との事。まさかと思いましたが、指定された部屋に行くと布団2枚の所に既に4人の先客が居ました。荷物は別の所に置き、自分の場所を確保して休んでいると、さらに2人が入ってきました。布団2枚に8人の状態、「マジかよ!」と思いましたが、マジでした。食事は5時過ぎに呼ばれ、メニューはハンバーグと魚の煮付け、ちょっと冷えていましたが、この混雑具合を考えるとしょうが有りませんかね。
そしていよいよ長く辛い夜が始まります・・・

涸沢ヒュッテ到着
涸沢ヒュッテ到着

【涸沢ヒュッテ内の様子】
ヒュッテ内は大混雑です。とくに受付前のロビー?の様な所は、テント泊の人が寒さしのぎでビールを飲んだりラーメンやおでんを食べています。トイレや乾燥室へはここを通らなければならないので、人を掻き分けながらいくのが大変です。夕食後も相変わらず雨が降り続いているので、外にも出られず何もする事がありません。周りには既にイビキをかいて寝ている人もいますがまだその気にはなりません。
それにしても4人で1枚の布団はきついです。ある程度の混雑は予想していましたが、まさかここまでとは思いませんでした。まさに蛸部屋状態です。寝る向きを一人づつ変えるので、自分の顔の前に他人の足がある。話には聞いていましたが、実際に経験すると物凄いですね。特に私は窓際で、すきま風が入ってきて寒いし、隣の人が頑張っていたので足が全然伸ばせない状態になってしまいました。21時の消灯時間を過ぎても他人のイビキや雨の音が気になり中々寝付けません。一応耳栓を使いましたがあまり効果なし。結局ウトウトと合計で2・3時間位しか寝られませんでした。後で従業員の人に聞いた話ですが、このヒュッテは200枚の布団を用意してありますが、昨夜は800人弱の人が宿泊した様です。定員の4倍ということですね。
夜中を過ぎても雨の音は止みません。朝起きたらスカッと晴れて、綺麗な青空と雄大な穂高岳を期待していたのですが不安になってきます。ウトウトして3時ごろ目を覚ますと雨の音が聞こえません。風は相変わらず強く時々窓から冷たいものが吹き込んできます。「やっと止んだかー」と思ったのもつかの間、周りが明るくなってくると窓の外は真っ白な雪景色・・・。ビックリです。

テント村も真っ白
テント村も真っ白

窓の外は雪景色、強風で横殴りの雪が降っています。こんな状況では奥穂高岳への登頂は無理です。せめて雪が止んで青空が出てくれることを期待します。
朝食を済ませ部屋で待機していると、早々に下山する人が増えてきました。中にはここでもう一泊して、明日の天候回復を待つという人もいます。私たちは今日奥穂に登り、横尾山荘で一泊し、明日帰る予定でしたが今日中に帰宅することに決めました。この小屋に1日中居るのも辛いし、昨夜と同じ状態で寝るのにも耐えられません。でも下山にはまだ早いので、外の様子を見に行くことにします。相変わらず風と雪は強く寒いです。でも、白と赤のコントラストはとても綺麗でした。

葉に積もる雪
葉に積もる雪

紅葉と雪
紅葉と雪

テント場よりヒュッテのテラス
テント場よりヒュッテのテラス

涸沢小屋
涸沢小屋

【9:00】 下山開始
あまりゆっくりしていても帰りが遅くなってしまいますので、そろそろ下山することにします。支度を済ませ外に出ると、ヒュッテの前は下山待ちの大渋滞です。登頂を諦めた人たちが一斉に下山してるようです。少し待ってみましたがいっこうに進まないので、テント場の方から降りることにします。ちょっと遠回りになりますがこちらの方が空いています。
この頃になると雪の降りが弱くなり少し明るくなってきました。涸沢小屋も良く見えるようになってきて、ナナカマドの紅葉も綺麗に見えます。こちらに来て正解でしたね。でも、残念なことに穂高連峰は最後まで見ることが出来ませんでした。再度来ることを誓い、涸沢を後にします。

穂高は見えません(前穂方向)
穂高は見えません(前穂方向)

雪と紅葉のコラボT
雪と紅葉のコラボT

雪と紅葉のコラボU
雪と紅葉のコラボU

涸沢から上が雪なんだ
涸沢から上が雪なんだ

涸沢のテント場から降り、ヒュッテからの道と合流すると下山者は多くなります。登山道は少し積もった雪が固まり滑りやすくなっているので、細心の注意を払って歩きます。涸沢から数百m歩くと雪は雨に変わり、周りにも雪はなくなりました。2300m付近が雪と雨のボーダーラインだったらしく、途中から振り返ってみると涸沢から上は真っ白で、下には雪が有りません。
下山者は多いですが、登山者も多いです。登山道が細くなっている所では、通過待ちの渋滞が起こっています。時には2,30人待ちという事もありました。
今日の涸沢も大混雑なんでしょうね。

【10:50】 本谷橋
ここは相変わらず人でいっぱいです。本谷橋の少し上には通過待ち渋滞緩和の為、仮橋が設置されていました。

ここから横尾までは登山道の傾斜は緩やかになります。昨日はあまりよく見えなかった屏風岩も、今日は綺麗に見えます。岩の壁面を流れる滝が有りましたが、大雨の後に出来る幻の滝というのがこれなのでしょうか。また、濡れた岩に太陽光が射すと、まるで屏風岩が光っているように見えてとても綺麗です。

本谷橋は人でいっぱ
本谷橋は人でいっぱい

屏風岩に流れる滝
屏風岩に流れる滝

光る屏風岩
光る屏風岩

横尾大橋到着
横尾大橋到着

【12:00】 横尾到着
本谷橋から約1時間、横尾大橋が見えてきました。梓川の水量は多くなっており、大雨であったことを物語っています。でも、その割りに水は澄んでいるのには驚きました。川を濁す土砂が少ないんでしょうね。
横尾に着いたら、まず昼食です。本来ならば奥穂登頂から戻り、涸沢で食べるはずだったラーメンを作ります。ここへ来ても、まだ雨がポツポツ降っているので傘で雨除けをします。
食事の後、横尾山荘へ行き宿泊のキャンセルをしてきました。次は必ず泊まりまーす。

横尾もいっぱい
横尾もいっぱい

新村橋と雪山
新村橋と雪山

【13:50】 徳沢園
ここでは、前回の槍ヶ岳の時と同様にアイスクリームを食べす。渇いた喉と疲れた体には、冷たいアイスクリームは美味しいですねー。定番になりそうです。

【14:40】 明神館
この辺に来ると雨は殆ど降っていません。観光客も一気に増え、上高地が近いことを実感します。平地を歩くとどうしてもスピードが上がってしまい、足に負担を掛けてしまいます。ゆっくり歩けば良いんでしょうが、上高地での混雑を考えると自然と歩くスピードが増してしまいます。

明神館
明神館

上高地へ無事帰還
上高地へ無事帰還

【15:25】 上高地到着
やっと到着です。横尾からの10Kmはやはり長いですね。本当は河童橋周辺をゆっくり見たいと思っていましたが、時間も遅いので乗り物待ちの様子を見に私一人でバスターミナルに向います。タクシーとバス、どちらにしようかと悩みましたが、待ち時間は同じくらいなので帰りはバスにします。切符を買い200m近くある列の最後尾に並んだところで息子とバトンタッチです。河童橋周辺の写真を撮り、お土産を買って列に戻ります。夏に槍ヶ岳へ来た時には帰りのバス待ちが2時間半もあったので今回はどうかなと心配していましたが、40分位の待ち時間で乗ることが出来ました。観光客が少なかったのか、バスの台数を増やしたのか分かりませんが、比較的早くバスに乗ることが出来たのは有難かったです。

河童橋と梓川
河童橋と梓川

沢渡駐車場到着
沢渡駐車場到着

【帰路】 新島々の手前から松本I・Cまでの間が渋滞していて1時間半もかかってしまいました。松本I・C付近で夕食をとり高速に乗ります。高速道の渋滞は特に無く順調ですが、前夜の寝不足で群馬に入った頃から睡魔が襲ってきました。「これはやばい」と思い甘楽P・Aで15分くらい休憩をとります。ほんの少しウトウト程度に休むだけでも違いますね。その後は何とか持ち直し、家まで無事帰ることが出来ました。

【ひとこと】 綺麗な紅葉、青い空と雄大な穂高連峰を期待したのですが期待は裏切られ、奥穂高岳にも登れませんでした。でも逆の見方をすれば、雪と紅葉という珍しい風景を見ることが出来て良かったとおもいます。この大荒れの天気は、接近していた台風が日本の東海上で発達して強い冬型の気圧配置になった為だそうです。高い山では雪になり、各地で遭難が相次ぎました。7日にはこの穂高岳でも2パーティー6人が遭難し1人が亡くなってしまったそうです。山の天気の怖さを思い知らされました。
今回は穂高登頂が出来なかった為、再度挑戦します。いつになるかまだ分かりませんが、今度は夏に来ようかと思っています。

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