荒船山（経塚山）


【往路】　5月に入ってから2回目の西上州です。太田藪塚ＩＣから下仁田ＩＣまでは高速を走り、そこからは一般道です。国道254号線を長野方面に向かい、内山隧道を抜けて橋を渡ったらすぐ左の細い道に入ります。天気は晴れており目立った雲は見当たりませんが、高速から遠くの山が見えません。北関東道を西に向かって走る時は、平らな荒船山が見える筈なのですが、それが見えません。霞がかかってしまっている様で、山からの展望が心配です。
荒船不動下の駐車場	荒船不動への道
【8：05】　荒船不動下駐車場到着国道254号線から荒船不動までは細い道が続きます。最初は周りに民家などがあるのですが、途中からは車がすれ違えない位の林道になります。そこを7分程走ると駐車場に到着します。駐車場には既に10台の車が止まっていました。車の配置を工夫すれば20台位は駐車できると思うのですが、この日は13台で一杯という感じでした。支度を済ませ林道の先へ進むと、2分位で荒船不動に着きます。通常は無人のお寺の様ですが、手入れはきちんとされています。ここにはトイレも設置されているので安心です。本堂で登山の無事を祈願し先へ進みます。【8：35】　登山開始どこから登山開始なのかと言うと難しいですが、荒船不動から5分位は林道の延長といった感じです。小さな川を渡ると案内板があり、そこから先が本格的な登山道となります。	荒船不動
荒船不動本堂	荒船山登山口
登り始めの登山道	登山道
星尾峠	登り始めの登山道は比較的緩やかな傾斜です。小さな川？や橋を何回か越えると、道はジグザグになり徐々に高度を上げていきます。【9：05】　星尾峠道が少し平らになると、星尾峠が現れます。この峠は山頂への道、兜岩・田口峠への道、星尾方面への道の分岐点にもなっています。この先は片側が崩れて細くなった登山道を通り、最後は尾根へ出る長い階段を登ります。【9：20】　山頂分岐長い階段を登り切ると、山頂と艫岩の分岐です。右が山頂、左が艫岩で先ずは山頂を目指します。山頂はここから約70mの標高差です。それ程大変ではありませんが、登山道は少し荒れており登りづらい感じはありました。
下が崩れている狭い登山道	尾根への長い階段
経塚山（行塚山）と艫岩の分岐	山頂への登山道
山頂間近	荒船山（経塚山・行塚山）山頂
【9：30】　荒船山（経塚山・行塚山）山頂到着分岐から約10分で山頂へ到着です。荒船山とはこの岩山全体を指し、荒船山と呼ばれる山頂はありません。この山の最高地点は経塚山（行塚山と呼ぶ場合もある）ですので、ここを山頂としています。山頂は少し広くなっており、多くの人が休めます。ただ周りは木に囲まれており、景色は木の隙間から何とか見える程度です。【9：40】　山頂出発ここは余り長く居る場所ではなさそうなので、10分程の滞在で山頂を後にし艫岩へ向かいます。山頂から分岐までは来た道を戻り、その先は山頂台地の道です。艫岩まで約1.6Kmの道のりは、若干アップダウンはあるものの登山道としては平坦です。気温もそれ程高くなく、適度に風も吹いていたので快適な山歩きです。この時期は新緑が美しく、緑のトンネル等もあり気持ちよく歩く事が出来ました。	荒船山（経塚山・行塚山）山頂
山頂のヤシオ	分岐から艫岩への道
道を塞ぐ倒木	緑のトンネル
見えた来た艫岩の小屋	艫岩の展望台
艫岩の淵にて	【10：10】　艫岩到着三ツ瀬への分岐を過ぎると無人の山小屋があり、その先が艫岩の展望台です。小屋の前を含めると休める所が多くあり広いのですが、実際に展望台とされている所は思ったほど広くはありませんでした。真ん中には見える山の案内板があります。しかしこの日は霞がかかっていて遠くまでは見えません。本来ならば正面に浅間山が見える筈なのですが、稜線がうっすら見えるかどうかのレベルで少し残念です。それでも近くはよく見えます。下には国道254号線や内山峠、少し目を上げれば物見山が正面に見えています。それにしても流石に高度感は半端ないです。下は200mの絶壁になっており興味本位で覗き込み、間違って転落してしまったという事故は時々耳にします。安全確保の為柵を設置する事も検討されている様ですが、今の所は景観優先でそのままになっています。私も恐る恐る覗いて見ましたが、足がすくみ下まで見る事は出来ません。手を伸ばして写真と撮るのがやっとでした。
艫岩からの展望	艫岩横の岩壁
艫岩のヤシオと展望	艫岩の展望台
下山開始	「皇朝最古修武之地」の石碑
【10：40】　下山開始艫岩の展望台に滞在する事30分、景色も十分堪能したので下山する事にします。山頂分岐までは、また気持ちのいい山歩きです。途中、登山道のすぐ近くにある「皇朝最古修武之地」の石碑に寄ったりしながら進みます。すれ違う登山者も多くなり、人気がある山だという事が分かります。行きも帰りも山頂台地歩きは25分位でしたが、何故か帰りの方が早く感じます。一度通った道は体が覚えているからでしょうか。【11：05】　山頂分岐分岐からは登山道の下りになります。登りでは特に気にはならなかったのですが、何ヶ所か滑る所があり下りでは少し注意が必要です。	荒船不動へ下る階段
傾いている鉄製の橋	星尾峠
登山口近くの谷止	荒船不動
駐車場へ無事帰還	登山口のすぐ脇には鍋割沢川が流れており、そこには谷止という治山ダムがあります。河川の傾斜を緩くし、川底や川岸の浸食を防いで崩壊を防止している様です。砂防ダムとは違い、何基も設置されており珍しい光景でした【11：45】　荒船不動着荒船不動にはこれから登ろうという人が何人かいました。本堂に無事下山出来た事のお礼をして駐車場へ向かいます。【11：50】　駐車場へ無事帰還車の入れ替えは有ったものの、駐車スペースの状況に変化はありません。帰りの林道には、数百mに渡り道の脇や少し空いたスペースには多くの車が止まっていました。途中では数十人の団体とすれ違いました。大型バスで来たけれども、バスが林道に入れず何キロも歩いて登山口へ向かう様です。
神津牧場売店	ベーグルサンドとチーズバーガー
毎日行われている牛の行列	荒船山全景
迫力のある荒船山の岩壁	艫岩のアップ
【復路】　帰りは内山峠を通って、近くにある神津牧場へ寄りました。内山峠からの登山道は通行止めになっている筈なのですが、駐車場には何台か車が止まっていました。神津牧場へ着いたのは12時半頃、昼食にチーズバーガーとベーグルサンドを食べました。両方500円と安くはありませんが、ジューシーなハンバーグとシッカリしたベーグルは食べ応えがありとても美味しかったです。牛乳やソフトクリームも濃厚で、さすが神津牧場です。神津牧場からの帰り道では、荒船山が奇麗に見える所が何ヶ所かあります。国道254号線に出る所もその一つで、岩壁が目の前に見えます。肉眼ではよく分かりませんでしたが、カメラでアップすると艫岩にいる登山者が確認できました。その後は来た道をそのまま戻り、道の駅しもにたで休憩し桐生へ戻りました。
【ひとこと】　荒船山といえば、クレヨンしんちゃんの作者さんが転落した山として、悪い意味で有名になってしまった山です。危険なのは北側岩壁の上にある艫岩（トモイワ）という展望の良い場所のみですので、ここさえ気を付ければ手軽に楽しめる山です。一般的に多くの登山者が使うのは内山峠からのルートですが、途中の木橋が破損しており落下の危険がり通行止めの為、長野県側の荒船不動から登りました。実は2009年にこの山に登ろうと内山峠の登山口まで来たのですが、登山道が崩落の危険がある為今回と同じ様に通行止めになっており、断念して物見山に登った経緯があります。今回は事前に分かっていたので、荒船不動からの登山で計画していました。